レトロ旅えひめ巡り
愛媛県のノスタルジーを求めての旅ガイド。近代化遺産の建造物や農漁村の原風景、いつかどこかで見た光景を紹介していきます。古いえひめを一緒に探してみませんか。
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登録文化財の煙突がある山に登ってみた。(新居浜)
新居浜市を車で走っていると、山にそそり立つ煉瓦の煙突がずっと気になっていた。
あるTVCMにも使われているから、ご覧になった人も多いだろう。
絵になるような、とてもいい雰囲気の光景--。現物を直接見に行くことにした。
地元の人ならだれでも知っている、通称“えんとつ山”、正式には生子山(しょうじやま)という山だ。

  DSCF0251.jpg

現場まで車で直行というわけにはいかない。今風のスカイラインにはなっていないので、自力で登山しなければならない。
といっても、「健脚の人で10分程、並み脚の方で18分程」(入り口案内板表記)。
分かりやすい入り口は、山根グラウンドや別子銅山記念館の近くだから、その付近に駐車して、後は徒歩で登っていく。
国領川に沿って、記念館から別子ラインの道を1分も歩けば、道沿いに登山口の看板が見える(下写真)。

 DSCF0252.jpg
ボランティアグループのおかげで登山道はきれいに整備されている。入り口には手製の杖も常備されていた。
檜の木立に、鳥の声が共鳴する。

  DSCF0257.jpg
山道というのは結構きついものだ。
疲れたところで、ふと上を見たら、「おー」、木立の間から煙突の上の方が見えて一気に元気になる。
そしてついに見た。これが、明治21年(1888)5月に出来上がった山根製錬所の煙突だ。
なんと126年も前の、日本で最古級の重化学工業の忘れ形見である。
国の登録有形文化財で、通産省認定の近代化産業遺産でもある。

  DSCF0279.jpg
高さは約20メートル。イギリス積みの煉瓦に一部風化が見られるものの、風格があり何よりも、孤高のりりしさがある。
さらに、この煙突は、単なる製錬所の煙突で片づけられるものではない。

時代の一歩先を行ったチャレンジの象徴といえる遺産であり、住友家の初代総理人・広瀬宰平にとっては、悔しさの残る悲劇の“負の遺物”とも言えるモノなのである。
形状のレトロさに目を奪われるだけでなく、そそり立つ煙突が、無言で語りかける別子銅山の秘められた歴史の一ページに目を向けてみよう。

  DSCF0269.jpg
この煙突の前に、解説文が掲げられていて、その中に次のような一文がある。

「明治21年(1888)、広瀬宰平は東京大学教授であった岩佐巌を招き、この地で湿式収銅法による収銅過程で硫酸などの化学物質の抽出と更には、製鉄の試験を開始しました。官営八幡製鉄所の操業より7年前のことです。」

つまり、この山根製錬所は、単に銅を精錬するだけでなく、その過程で発生した亜硫酸ガスから硫酸を取り出し、さらに残りかすから銑鉄を製造しようとした意欲的な施設だった。広瀬は製鉄事業をも視野に入れ、強力に推進した。
ところが、技術の未熟さで採算ベースに乗らず、赤字経営に。さらに、煙突から出る亜硫酸ガスが付近の農作物に被害を出し、深刻な煙害が起こった。これで広瀬は追い詰められる。

38歳で別子の支配人になり、28年間も権力の座にいた広瀬は明治27年(1894)11月、引退を余儀なくされた。山根製錬所は操業停止、翌28年に閉鎖された。わずか6年余りで山根製錬所は歴史の幕を閉じ、煙突だけが今に残る。別子銅山の近代化は、広瀬から伊庭貞剛へバトンタッチされていくのである。

  DSCF0277.jpg
山根製錬所は、現在の別子銅山記念館、大山積神社周辺にあった。そこから生子山の北斜面に沿って約60メートルの煙道に導かれて、煙突から排出されていた。少し前までは、煙突下部のコンクリート部分に煙道の穴が開いていて、そこから空を見ることが出来たという。

えんとつ山からは瀬戸内海まで一望できる。煙突は平成22年に耐震補強工事を終え、別子のシンボルまたランドマークとして、新居浜の繁栄を見つめ続けている。
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