レトロ旅えひめ巡り
愛媛県のノスタルジーを求めての旅ガイド。近代化遺産の建造物や農漁村の原風景、いつかどこかで見た光景を紹介していきます。古いえひめを一緒に探してみませんか。
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豪壮な煉瓦造りの樋門=小松大谷池(西条市小松町)
この大きな煉瓦造りの建物が、何かわかりますか。
これが樋門(ひもん)というもの。
「堤防を貫通して設置される暗渠」のことで、ため池などの流出水量をコントロールする施設。
ここは大正時代に築造された西条市小松町の大谷池。完成時には県下最大のため池だった。
その水量を操作してきた樋門は今、その役割を終えているが、往時の姿を誇らしげに見せている。
 
   DSCF0953.jpg
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翼壁を大きく広げ、2色の煉瓦を上手に使って、堂々たる樋門に仕上げている。

  DSCF0923.jpg
右書きで「小松貯水池」と刻まれた銘板。4重の煉瓦でアーチを描き、中央には石の要石(キーストーン)を配置した。

全国的に見て、複数の樋門を組み合わせた連結式の樋門が国・県等の文化財になっているケースが多い。なかには10連のアーチ式樋門(熊本・八代、国の重要文化財)も現存する。
それらと比較すると、大谷池樋門は、単独の形体ながら、煉瓦アーチ型ではスケール的に大きな樋門で、全国でも数少ない。日本の近代化を支えた農業灌漑施設の遺構として貴重な存在といえよう。
土木学会の近代土木遺産に選定されているのも当然だろう。

  DSCF0930.jpg
  DSCF0931.jpg
排水口のアーチの右側には「設計監督 技手小田切豊吉」、左側には「大正3年11月築造」の石の銘板が配置されている。設計監督者の名前が大きく刻まれるのは珍しい。
だが、これは、誇りとして刻んだのではなく、将来に対する責任の証しとして個人名を出したのではないかと思う。
この大谷池の築造には、下流住民から決壊に対する不安で反対の声が強かった。その住民に安全性を強調して説得したのが愛媛県土木技師の小田切豊吉だった。だから、池築造の技術責任者として樋門に名を残し、万が一の時に責任を一身に負う覚悟だったのではないか。勝手にそう思う。

  DSCF0926.jpg
煉瓦は、一般的なイギリス積み(長手だけの段と小口だけの段を一段おきに積む方式)。
大正時代初期には、地元に煉瓦はなく、また技術者もいなかったため、大阪方面から煉瓦を運び、技術者も招いて築きあげたという。

  DSCF0945.jpg
 
  DSCF0961.jpg
今の小松大谷池。向こう側に見える橋が、高速道。
平成12年から19年度まで県営防災ダム事業改修工事が行われ、このとき樋門が廃止になったという。
同22年から、新たな周辺環境整備事業が行われ、小松大谷池は今、四季の広場、遊ロード、くつろぎゾーンの3区にわかれて、憩いの広場になっている。
あまりにもきれいに整備され過ぎて、大谷池築造にまつわる先人の血と汗の労苦が伝わらないような気がする。
文化財級の樋門にしても、以前はあった排水路が無くなり、ポツンと佇むだけ。
樋門としての風情が感じられないのが残念だ。

この大谷池築造の歴史は、文献によって完成時期などに異なる記述がある。既に官製の資料は廃棄され、大正時代の大きな工事なのに事実がはっきりしない部分が出ている。その歴史書を出版していなかったことが悔やまれる。
正確と思われる“大谷池築造史”は、着工が大正3年(1914)2月6日。池の完成は大正6年(1917)3月。道路や水路、圃場等の整備を行い、全ての工事が完了したのは大正9年(1920)12月10日で、約7年がかりの工事だったというのが事実ではないかと思う。
樋門に「大正3年11月築造」とあるから、樋門自体はそのころに完成したか、完成予定だったと思われる。


参考文献:「愛媛温故紀行」えひめ地域政策研究センター(アトラス出版)、「小松町誌」(小松町)、「大谷池の築造と今井巻太郎翁」鴨重元(「愛媛の文化」No,32)、「愛媛の水をめぐる歴史」門田恭一郎(愛媛文化双書)、HP西条市「水の歴史館」、小松町文化財読本(町教委)、「愛媛の土地改良史」(愛媛県)

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コメント
こんばんは
ランキングから来ました。

巡り旅をすのもいいですね^^

古い建物等がすきで、ブログを徘徊していると
行ってみたいと思う所が増えて面白いですね^^

ランキング応援していきます。
[2015/04/16 01:20] URL | デコピー #- [ 編集 ]


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