レトロ旅えひめ巡り
愛媛県のノスタルジーを求めての旅ガイド。近代化遺産の建造物や農漁村の原風景、いつかどこかで見た光景を紹介していきます。古いえひめを一緒に探してみませんか。
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日本の農村の原風景を思い起こす、田丸橋
愛媛の屋根付き橋③ー<内子町⑥ー2>
田丸橋


 屋根の付いた橋、見たことのある人は、あまりいないのでは、、。それもそのはず、全国でも165橋しかない。その珍しい橋が、なんと21橋もあるのが愛媛県。
 なぜ愛媛に多いのか?。そのなぞ解きを徐々にこのブログシリーズでしていきたいが、さしあたって今回の橋は、内子町の田丸橋だ。

IMG_2848.jpg
               (農村の空気の中に溶け込んでいる田丸橋)
            IMG_2846.jpg
                          (橋の下は麓川の清流が流れる)                 
IMG_2838.jpg 
(屋根の内側には、橋の利用状況を描いた絵が数枚掲げられている)
 

 愛媛の屋根付き橋では、露出度トップ級の有名な橋がこの田丸橋である。なにしろNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」で秋山真之が帰郷の際にバックに登場してるし、NHKのドラマ「歩く、歩く、歩くー四国 遍路道ー」(田中麗奈主演)にも、映っている。ロケ地に選ばれる名所でもあり、内子町の町有形民俗文化財に指定されているし、土木学会選奨土木遺産にも認定されている。

 名所が必ずしも、感動の場所とはならないことは、しばしば実感することだが、田丸橋は一味違う。川沿いの道を屋根付き橋を探しながら、どんどん進んでいた時、「あっ、あれだ!」。その橋の見えたシーンが一番上の写真の光景だ。懐かしくて、心ときめく光景といったらおおげさか。畑のなかに、小さな橋が農村の風景に溶け込んでいる。屋根も含めて何の違和感もないのだ。どこかで見た日本の農村の原風景というか、ジオラマのよう。とにかく絵になる光景とはこういうのを言う。

 田丸橋が、全国的に注目されるのは、生活橋であることだ。屋根付き橋は、北海道から九州まで存在するが、その多くは、神社・寺院橋や公園橋。橋の学者の記述(昭和59年初版)の中には、一般生活のための屋根付き橋は「希有の例にちかい」とまで書かれている。愛媛には田丸橋を始め、生活橋がかなりある。それが愛媛の特徴の一つ。近年、ようやく愛媛の素朴な屋根付き橋に光が当たり始めたのだ。

 田丸橋は、元は麓川(ふもとがわ)にかかる土橋(丸太や橋桁を並べ、その上に敷き土をして、歩きやすくした橋)だったが、昭和18年の水害で流された。そして、翌年、今のような屋根付き橋に改修された。木造杉皮葺きで、方杖式構造(下側斜めに配置した方杖で桁を支持した橋)にして、水害に耐えるようにした。長さ14メートル、幅2メートル、高さ2.86メートル。

 水害で橋が流された時、なぜ屋根付き橋に変える発想が出たのだろう。それは、土地柄が大きい。この麓川流域には、元々屋根付き橋の多いところだった。ざっと10橋はあったという。田丸橋を、屋根付きに改修した理由は①木炭の集積場所が必要だった②橋の耐用年数が延びるーが大きい。

 木橋の寿命は普通20年といわれるが、屋根を付けたら、少なくとも2-5倍延びるといわれる。歩行者専用なら100年もつとも。(もちろん気象条件等によって変わる)。このほか、農作業時の昼食や休息、交流、憩いの場にも使えるメリットもあった。

 流域の屋根付き橋がコンクリート橋に次々変わり、姿を消していった中で、田丸橋が、まもなく古希を迎えることができるのは、①上流に清田橋ができ、車は清田橋を利用した②田丸橋保存会が昭和58年にでき、点検整備に力を注いでいる③内子町も屋根付き橋を風景の点景ととらえ、住民と一体となって橋の保存に努めているーーの3点が指摘できる。

 昭和40年には杉皮葺きを、トタン屋根に変えたことがあった。トタン葺きでは、興ざめもいいところだ。そのことに、内子町や住民自体も気づき、昭和57年に再び、杉皮葺きに替えた歴史もある。その後も修理や葺き替えを行い、保存活動に努めている。地域の宝物を、これからも守り続けてほしいと思うのは私一人ではなかろう。
(写真撮影:平成25年4月10日)

交通ガイド:国道56号の田中橋交差点から、石畳地区に向かう県道243号へ。約5キロ、待避所の道路が広いところに戦没者の碑があり、そこから間もなく右手に田丸橋が見えてくる。専用の駐車場はないが、道路にやや広い待避所があり、ここに5,6台駐車できる。
所在地:内子町河内(かわのうち)。


参考:全国屋根付き橋巡りホームページ
「郷土うちこ」28号、内子の屋根付き橋・大野千代美
「土木史研究」20号、日本の屋根付き橋の全国調査とその概要・長谷川英男、伊東孝、市古太郎
「橋と日本人」上田篤、岩波新書


 
  
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