レトロ旅えひめ巡り
愛媛県のノスタルジーを求めての旅ガイド。近代化遺産の建造物や農漁村の原風景、いつかどこかで見た光景を紹介していきます。古いえひめを一緒に探してみませんか。
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「美しさ」と「特異な技法」を持つ煉瓦橋
煉瓦でできたアーチ橋が松山市柳井町にある。
哀愁を帯びた美しい景観は、あたりを明治時代にタイムスリップさせる。
この橋は、ただ単に美しいだけではなく、
全国的にも珍しい技法で造られている貴重な橋でもある。

   
       IMG_3403.jpg
(120年以上も経っているが、上部は電車、下部は人や車が通る、今も現役なのがすごい)

IMG_3408.jpg
(軌道と車道が斜めに交差しているため、扇のようにレンガを積んで、加重の問題を解決している)
EPSON003.jpg

 正式な橋の名前は、「伊予鉄道横河原線・第26号溝橋」という。
伊予鉄道が平井河原線(現・横河原線)の開業に合わせて、その前年の明治25年(1892)ごろ、架橋した。石手川を横切るすぐ手前にあり、軌道をかさ上げすることによって、道路を遮断することになるため、ここに煉瓦のアーチ橋を架けることになった。

 問題は、軌道と道路が斜めに交差していることだった。こういう地形に煉瓦アーチ橋を普通の技法で造ると、力学的に加重がかからないところが出るため、明治期の技法としては、「ねじりまんぽ」という技法を使うのが一般的だった。アーチ内部の煉瓦を斜めに積み上げ、内部から見ると煉瓦が螺旋状に並ぶ特異な技法だ。

 だが、ここで採用されたのは、上部の煉瓦を少しずつ角度を付けながら扇のようにシフトさせる技法。これで一般のアーチ構造でありながら上部を水平に仕上げているのだ。この技法について、「鉄道と煉瓦」の著者・小野田滋氏は、その著のなかで「現在までのところ、同様の方法を用いた斜めアーチは知られておらず、また工学書などにも登場しないことから、極めて独創的な技法である」と、いう。日本で唯一の貴重な煉瓦橋なのである。

 斜めアーチにつきものだった「ねじりまんぽ」の技法は、明治初期に雇い外国人によって伝わり、明治10年代後半から30年代にかけて鉄道の敷設とともに全国に広がっていった。しかしながら、この技法は、愛媛ではまだ確認されていないように思う(もし、現存物があるようなら、ご教示を)。伊予鉄道の採用した技法では、煉瓦の使用枚数が多くなるデメリットがあるが、技法的には容易で、かえって工期は早まったのではないかと思われる。

 平成24年度の土木学会選奨土木遺産に認定され、「煉瓦の積み方の工夫により、直行しない道路上へのアーチを実現しており、120年経った今なお現役で、その姿が市民に愛されている橋である」とされている。また平成15年には松山市の「景観形成重要建設物」に指定されている。
 
 ぜひ、行って見てください。煉瓦橋のしっとりと落ち着いたいい雰囲気を感じてください。腰壁の煉瓦はイギリス積(長手だけの段と小口だけの段を交互に積む)。トラックなどが側壁に接触し、ところどころに煉瓦が傷つけられていて、痛々しい。
(写真撮影:平成25年3月11日)

交通ガイド:所在地・松山市柳井町2丁目。
松山成人病センターの南側角の一方通行道路を約100メートル行く、伊予鉄横河原線に架かっている。一方通行路だけに道は狭い。駐車スペースはないので、他に駐車して歩いて見学するのがいい。また、上部の特徴ある煉瓦の扇形シフトを見ることも可能だが、軌道上の立ち入りは厳禁。電車の走行には、十分にご注意を。

参考文献:「鉄道と煉瓦」(小野田滋著、鹿島出版会、2004年8月25日)
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