レトロ旅えひめ巡り
愛媛県のノスタルジーを求めての旅ガイド。近代化遺産の建造物や農漁村の原風景、いつかどこかで見た光景を紹介していきます。古いえひめを一緒に探してみませんか。
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伊予港のスピーダーを覚えていますか。
覚えているだろうか、伊予港から大分港へスピーダーという“海の新幹線”が走っていたことを。
この航路が開設されたのは、平成7年(1995)7月7日。実に縁起のいいオール「7」のゾロ目の日だった。
しかし、3年も持たずに航路は夢のように消えた。
あれから15年余の歳月がたった。ということは、
10代の若者の多くは伊予港に定期旅客航路があったことさえ覚えていないだろう。

今、伊予港に行ってみると、場違いなモダンな建物に出会う。
そう、これが、航路のあったことを今に残す乗客待合室の建物なのだ。
それに、屋根付きだったと思われる通路が約50メートル岸壁近くまで伸びている。
いわば夢の果ての遺産、深まる秋のなかでわびしさが募る。

  DSCF0261-001.jpg
    (雑然とした港の一角に、色も鮮やかでモダンな建物が建っている。これが伊予ー大分航路の名残の待合室だ)
       DSCF0256.jpg
       (待合室の建物そばに建つ「伊予市観光案内図」の絵地図には、まだスピーダーが描かれたまま残されていた。)

 航路が開設された平成7年とは、1月に阪神淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件と、大きな事故・事件が起こった不穏な年だった。その7月に海の新航路として伊予ー大分のスピーダーが開設、そして空では、4月には松山空港から初の定期国際航路松山ーソウル便が開設された年でもあった。現状を見ると、海路はなくなり、空路は今も飛ぶ。海と空で明暗を分けた格好だ。

 7・7・7の日の愛媛新聞には、航路開設の全面広告が出ている。「きょうから九州⇔四国、日帰り圏」のキャッチコピーで超高速双胴型旅客船「スピーダー」(375トン)を大々的にアピールしている。航海速力39ノット(時速72キロ)、最高速力42・5ノット(同79キロ)で、伊予港と西大分港を1時間45分で結び、1日3往復した。331人乗り。運賃は片道エコノミーシートで4,800円、ファーストシートで6,800円。-あなた、乗りますか。

 就航時の記念式典には、船がオーストラリア製だった関係で駐日オーストラリア大使も列席、市長をはじめお偉方がざっと130人出席して盛大に就航を祝った。伊予港第一便には259人が乗船、「従来のフェリーに比べ所要時間は約半分になり、九州がぐっと身近になりました」との声を愛媛新聞は伝えている。このブログの読者の方で、乗った方がいらっしゃるだろうか。

 伊予港と松山までは距離にして11キロで、松山地方と九州との日帰り観光やビジネスが可能になった-と、運航会社のダイヤモンドフェリーは、PRに努めたのだが、、、。

 残念ながら、利用客は伸び悩んだ、それを打開するため、同社は平成9年(1997)7月には、別府港への延伸を開始。伊予ー西大分ー別府にして、観光客の取り込みを企画したが、どうにも焼け石に水。年間の赤字は2億円にも上ったと言われ、翌平成10年(1998)3月26日に休止となり、再開されることはなかった。
              DSCF0259.jpg
                   (乗船口に向かってアクリル板の屋根がなくなった通路が、むなしく伸びている)

 乗り場だった場所には今、釣り人が糸を垂れていた。海鳥の声と楽しげな家族連れの釣り人の声が聞こえる。航路があった時のざわめきは全くない。歴史はこうして忘れ去られていくのだろう。後日談だが、あのスピーダーは、メキシコに売却されたという。今はどうしているのだろうか。

 伊予港に残るモダンな待合室の建物は、今は伊予市シルバー人材センター事務所となっている。さらに、屋根付き通路が待合室から乗船口まで約50メートルが伸びていて、ここに旅客航路があったことをしのばせている。この通路も、今は、屋根のアクリル板がなくなっていて、骨組みだけがさびしげに残っている。
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