レトロ旅えひめ巡り
愛媛県のノスタルジーを求めての旅ガイド。近代化遺産の建造物や農漁村の原風景、いつかどこかで見た光景を紹介していきます。古いえひめを一緒に探してみませんか。
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石鎚表参道登山口へ。洞門のある道、そして紅葉
紅葉を求めて、西条市の氷見から黒瀬峠を経て石鎚登山ロープウエイ口まで、ドライブした。
加茂川の渓谷をキャンバスに黄色、赤色が一面にちりばめられている。
車を止めて、川面に視線を落とすと、おおー、なんとエメラルドグリーンの色彩があるではないか。
上流に向かうにつれ、洞門や片洞門の道も出てくる。
道幅は狭いが山峡らしい珍しい光景も楽しめる。
  DSCF1116.jpg
      DSCF1114.jpg
このルートを、石鎚登山の表参道という。
明治中期までは道なき道。車が通る広さまで広げていった苦労は並大抵なものではなかろう。
特に難関だったのが、硬い岩盤だろう。今も写真のように素掘りの洞門が残り、作業の困難さがしのばれる。
誰がどのようにして掘り進めたか。そのドラマの記述には巡り会えなかった。
今はコンクリートを吹き付けているが、万が一にも天井が落ちてきたら、車はぺしゃんこだ。
1枚目の写真は、「河口(こうぐち)1号隧道」といい、長さ11メートル。2枚目が「河口2号隧道」で、長さ21メートル。2号の方が古く、大正12年(1923)に完成したというから、今年で90歳。1号はその翌年に完成した。
      DSCF1112.jpg
       DSCF1113.jpg
天井が半分の片洞門も数か所残っている。行った日には、上からぽたぽたと水が落ち、ちょっと不気味。
このルートは徐々に2車線に拡幅が図られている。改良は牛のような歩みだが、十数年後には洞門や片洞門は姿を消しているかもしれない。
これまでの道路改良の歴史を見ると、三碧峡のある河口まで県道が開通したのが大正15年(1926)。
西条駅から河口までのバスが通い始めたのが、昭和6年(1931)のこと。
昭和20年代の半ば過ぎに、西条駅から西之川間でバスが開通、そして、昭和43年(1968)に西之川下谷にロープウエイ(往復1,900円)が開通してからは、日帰り登山も可能になった。
また、登山の拠点は、河口から、ロープウエイのある西之川へ移動。これによって河口の旅館はさびれ、さらに河口から今宮、黒川の両参道にあった数十軒の季節宿が消滅していった。だれも住まなくなった建物群。これが便利さを追い求めた結果の一断面である。
    IMG_4201.jpg
紅葉はピークを迎えている。
ただ、平日は道路拡幅工事のため、時間帯によって通行止めがあるので、立て看板で時間帯を確認して行動した方がいい。
参考文献:小松町誌、「石鎚信仰と登山道集落の変遷」村上節太郎(「文化愛媛」第2号)
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