レトロ旅えひめ巡り
愛媛県のノスタルジーを求めての旅ガイド。近代化遺産の建造物や農漁村の原風景、いつかどこかで見た光景を紹介していきます。古いえひめを一緒に探してみませんか。
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漱石のいた松山「今・昔」/1、きどや旅館跡
夏目漱石が松山に赴任してきたのは、今から119年前の明治28年(1895)4月のことだ。
松山尋常中学(のちの松山中学、現松山東高)の英語教師として、東京からやってきた。
この“不浄の地”(「坊っちゃん」)での1年間の体験をもとに永遠のベストセラー「坊っちゃん」が生まれた。
    DSCF2285.jpg
(「吾輩は猫である」とともに漱石の代表作「坊っちゃん」。江戸っ子の無鉄砲な新任教師が松山を舞台に大暴れする)

松山の悪口にあふれている小説なのに、なぜか松山市民は「坊っちゃん」が大好き。団子をはじめ球場や文学賞などなど、さまざまなものの名前に坊っちゃんが乱用されている。
たった1年いただけの漱石だが、「坊っちゃん」が今の松山に落としている経済効果は、計り知れないものがある。
松山を嫌っていた漱石は、この状態を見て果たしてどう思うのか、ひょっとしたら「田舎者め」と、また悪態をついているのではないか。ちょっと、聞いてみたい気がする。
<漱石がいた松山の地をたどりながら、「今・昔」の姿を追ってみた。>

①きどや旅館跡

漱石が松山に来て、最初に泊ったのが城戸屋(きどや)旅館。「坊っちゃん」のなかでは、山城屋として登場する。
部屋数20を誇る松山でも有数の旅館で、敷地は750坪(2,500平方メートル)もあり、正面玄関は三番町通りに面していた。
残念ながら昭和20年の松山空襲で全焼した。その後、昭和28年に戦前の3分の1程度で再建され、昭和53年に廃業するまで旅館として営業されていた。
数年前まで、旅館の趣を残す建物が残っていた。漱石時代のものとは違うのだが、町並みの中でここの一角だけはどこか明治の香りが漂っていた。それを覚えている人は今でも多いのではないだろうか。
ところが、数年前にとうとう解体されて今はマンションに変わっていた。どこにも明治を感じさせるものはなくなった。
100年余の歳月の流れは、いかんともしがたい。
   DSCF2189.jpg
   (中央の真新しいマンションが、きどや旅館の跡。どこにも明治の面影はうかがえなくなった)

「坊っちゃん」のなかにこの山城屋で、茶代を5円も奮発するシーンがある。
今でいえばざっと数万円のチップである。
初日は階段下の、狭くて、暗くて、あつい部屋に案内された。茶代をやらないと粗末に取り扱われる。「田舎者のくせに人を見くびったな。一番茶代をやって驚かしてやろう」と、いうことで坊っちゃんが大盤振る舞いする。効果てきめん、翌日には15畳の立派な座敷に案内される。坊っちゃんは「おれは生まれてからまだこんな立派な座敷へはいった事はない。この後いつはいれるか分からないから、洋服を脱いで浴衣一枚になって座敷の真中へ大の字に寝てみた。いい心持ちである」と、大満足する。

当時の城戸屋旅館を経営していた城戸さんの子孫は、「この話は、事実と違う」と伝えられている。5円の茶代で大きな部屋に移したのではないというのだ。
この真相は、5円の茶代で移動したのではなく、漱石が校長をも上回る月給80円という破格の高給取りの先生とわかったから-ということらしい。なぜ、こんな高給だったかというと、漱石が帝大卒の学士だから。ちなみに、校長は高等師範卒で60円。給与は出身の学歴によって決まっていたのだ。

15畳の座敷は「坊っちゃんの間」として戦後の再建された建物でも2階に復元されていたが、今はあとかたもない。

◆きどや旅館跡
戦後に再建されたきどや旅館は松山市2番町4丁目1-9付近。漱石の泊った城戸屋旅館は3番町4丁目12-7の三井住友海上松山ビル付近に正面玄関があった。

参考文献:愛媛新聞「漱石の風景」平成7年6月1日、「坊っちゃん」夏目漱石(集英社文庫)、「漱石と松山」中村英利子編著(アトラス出版)
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